任天堂Switch基板BQ24193が故障したときに症状とは?
Nintendo Switch基板の部品に「BQ24193」があります。
この部品が故障すると次のような症状が起こります。
・充電ができない(これがほとんどです)
・Switchが起動しない
今回はこのICチップを交換する上でのポイントや注意事項を徹底的に解説します!
これを読むことで、次のポイントを理解することができます!
・BQ24193チップの交換方法がわかる
・失敗しやすい箇所がわかる
では行ってみましょう!
修理に必要な道具とは?
自分でBQ24193チップの交換修理を行うときに必要な道具が6つあります。
道具名 | 写真 | 用途 |
---|---|---|
ヒートガン | メインの修理道具。高温で温めることで、ICチップのハンダを溶かす用途に使用する | |
温調ハンダごて | 今回の修理では、主にICチップのはんだブリッジを修正する用途で使用する | |
液体フレックス | 液体フレックス。常温では粘り気があるため利用しやすい。ハンダを溶かしやすくする用途で利用する。 | |
ピンセット | 先曲がりピンセット。ICチップをつまんで持ち上げる際には必須。ゴムなどを巻いて防熱しても良い。 | |
Y字&プラスドライバ | ドライバ。本体を分解する際に使用する。 | |
顕微鏡 | ミリ単位の作業になるため、顕微鏡は必須。写真は双眼顕微鏡。 |
自分でBQ24193チップの交換修理を行うときの手順とは?
自分でBQ24193チップの交換修理を行うときの手順は次の通りです。
- FPCラッチを取り外す
- BQ24193を取り外す
- 交換準備をする
- 交換作業
- FPCコネクタの取り付け&後始末
それでは各工程ごとに詳しく解説していきます。
手順① 事前準備としてFPCラッチを取り外す
BQ24193を取り外す前に、必ず右側ジョイコンのFPCラッチを取り外しておくこと
早速重要なポイントです。
BQ24193を直接ヒートして取り外そうとすると、必ずジョイコンのFPCラッチが溶けます。
耐熱テープで保護しようとしましたが、どうやっても端っこの方が溶けてしまいます。
youtubeでこの部品を交換している人の動画も見ますが、やはりFPCラッチが溶けている人が多いです。
最も、端っこの方が溶ける程度であれば、使用に問題が無いのですが、初心者のうちはヒートすることに夢中になって、FPCコネクタラッチまで気が回りません。
結果として溶かしてしまい、修復不可となってしまうケースが多々あります。
よって、事前に取り外しておき、修理完了後に戻すことを強くお勧めします。
右側ジョイコンのFPCコネクタの取り外し方
FPCコネクタの取り外し方・取り付け方については、当ブログの別記事を参照してください。
無事、取り外すことができたら、次の手順に進んでください。
手順② BQ24193を取り外す
温度200度程度 風量50%程度で全体的にプレヒートします。大体60秒程度ヒートすると良いでしょう。
ただ、この周辺はコネクタが多いため、慎重にヒートしてください。
間違っても、電源コネクタラッチ等を溶かさないようにしてください。
フレックスの量は写真をご参照ください。
温度450度程度 風量30%程度でメインヒートします。
ハンダがとけ、鮮やかな銀色になったら真上に引っ張るように取り外します。
しっかりとつかんで取り外してください。つかみが甘かったり、勢い余ってコンデンサや抵抗に触れないように気を付けてください。
取り外せたら第一ステップは完了です!
手順③ 掃除&交換準備
既存のハンダを取り除いてください。
無鉛はんだで溶けにくい場合は、低温融点ハンダを利用するなどして無鉛はんだを溶かしてください。
ICのランドや中央ランドにプレハンダします。
中央ランドはごく少量のみハンダを載せるようにしてください。大量に乗せると、このあとうまくランドと接続できなかったり、はみ出たハンダでコンデンサや抵抗が埋まって大変なことになります。
450度、風量40%程度で温めておき、中央のハンダや各足のプレハンダをきれいな形に整えておきます。
この手の作業ははんだごてでちまちまやるのではなく、一気にヒートガンでやった方が正確できれいです。
手順④ 交換作業
200度、風量40%程度でプレヒートしておきます。
よく見るとマークがありますので、このマーク方向に従い、正しい向きでICチップを設置します。
間違えるとショートしますので、よく確認すること。
450度 風量30%程度でメインヒートします。
ハンダが溶けると、表面張力によってピタっときれいな位置にとどまります。
そこで、ICチップをピンセットなどでギュっと押して完全に癒着させます。
この時、ハンダがはみ出ることもありますが、問題ありません。
はみ出たハンダは、はんだごてでなぞるようにすると、除去できます。
もし、熱量が足りずうまくいかない場合は、ヒートガンでヒートしながら、はんだごてを使用するとうまく除去できます。
手順⑤ FPCコネクタの取り付け&後始末
無事ICチップを交換出来たら、基板が温まっているうちに、FPCコネクタも取り付けてしまいましょう。
取り付け方は、当ブログの記事を参照してください。
取り付け完了後全体的にIPAで掃除すれば、作業は完了です!
BQ24193はどこで買うのがおすすめ?
基本的にこのような交換用パーツをメーカより個人で発注することはロット数等の関係で極めて困難です。
ただ、海外通販サイトでは個人輸入できるところもあります。
代表格は「AliExpress」(アリエクスプレス)です。
価格はショップによって異なり、在庫状況も変わります。
ここを参考に良いショップを探してみてください。
さいごに
いかがでしょうか。
ポイントをまとめると次の通りです。
・右側ジョイコンのFPCコネクタは事前に取り外すこと
・ICチップの取り外しは慎重に慎重を重ねること
・プレハンダ時、中央のハンダは盛りすぎないようにすること
BQ24193も、Nintendo Switchの故障時には交換することが多いICチップとなります。
ぜひ技術をマスターしておきましょう。