FPCコネクタとは?
Nintendo Switch基板上のラッチはいろいろあります。
よく壊しやすいのが、R側ジョイコンのフレキシブルケーブルを接続するためのFPCコネクタです。
こちらですね。
今日はこのFPCコネクタを交換する上での注意点を3点解説します!
これを読むことで、以下の問題が解決します!
・ラッチ付コネクタの正しい交換方法がわかる
・素早くラッチを交換する方法
・失敗しやすい注意点の事前勉強
それでは行ってみましょう!
修理に必要な道具とは?
道具名 | 写真 | 用途 |
---|---|---|
ヒートガン | 今回も必需品。FPCコネクタのハンダを溶かす目的で使用する | |
液体フレックス | 液体フレックス。ハンダのノリをよくするために使用する | |
ピンセット | 先曲がりピンセット。FPCコネクタををつまんで持ち上げる際には必須。ゴムなどを巻いて防熱しても良い。 | |
Y字&プラスドライバ | ドライバ。本体を分解する際に使用する。 | |
顕微鏡 | ミリ単位の作業になるため、顕微鏡は必須。写真は双眼顕微鏡。 | |
ヒートテープ | 耐熱テープ。ヒートガンで余分な場所に熱が加わらないように利用する |
FPCコネクタの交換手順は?
次の手順で作業を行います。
- 台座への固定
- 光センサの防熱
- フレックス投入
- 裏からヒート
- 取り外し
ハンダごてで無理やり作業してはいけない
ラッチコネクタの交換は、ハンダごてで作業してはいけません
ラッチコネクタをハンダごてで交換しようとすると、ほぼ100%の確率で、コネクタ本体を溶かします。
精密機械のような手先の器用さの人であれば、大丈夫なのでしょうが、神経の使い方が半端ではないと思いますので、おとなしく、次の方法でやりましょう。
交換作業時に使用する台座
そこで登場する秘密兵器がこちら。
これは100均で購入した杉の木の木材です。別にホームセンターに行かなくても買えるんですね~。
これを活用して交換していきます。
このような形で基板を載せて、上から耐熱テープで固定します。
この時交換するラッチを台座からできるだけ離して裏面が露出するようにします。
ヒートする裏側の光センサー部分に耐熱テープを張ること。これをしないと光センサーが焦げて使い物にならなくなる。
よく忘れがちですが、今回ヒートする部分には光センサがあります。
このままだと光センサが焦げてしまうため、必ず耐熱テープで保護します。
フレックス投入します。
量は写真を参照してください。
450度 風量40%程度で裏からヒートします。
これが最大のポイントです。裏からヒートすればFPCコネクタが溶けません。ハンダだけが溶けてくれます。
風量を上げすぎないでください。コンデンサや抵抗が吹き飛んで修復不能になります。
40%程度の風量であれば、ハンダの表面張力により、裏側の電子部品は吹き飛びませんので、ご安心ください。
先曲がりピンセットを使って、ピックアップします。
無事に取り外すことができました!
この方法だとランドもはがれなくて済み、大変安全に交換することができます。
FPCコネクタの取り付け方法は?
あとは交換するだけです。
FPCコネクタの取り付け方法
交換時、フレックスは塗りすぎないようにしてください。
これが二つ目のポイントです。
フレックスを塗りすぎると、コネクタの中までフレックスが入りこみ、掃除が非常に大変になります。
見た目では大丈夫でも、ラッチの奥の方でフレックスが固まっていると、フレキシブルケーブルが刺さりません。
薄く綿棒などで伸ばしてフレックスを塗りましょう。
コネクタのピン部分と重なるように慎重に設置し、同じように裏側からヒートします。
温度450度 風量は40%程度です。
他のICチップと違い、コネクタはピンの数が少なく、表面張力が期待できないため、必要に応じてピンセットでコンマ以下の微調整をします。
無事に設置できれば完成です!
後始末
IPAなどで基板全体を掃除します。
もし、フレックスを塗りすぎてコネクタ内部まで侵入している場合は、遠くからヒートガンでゆっくり温めつつ、何度もIPAで取り除くと良いでしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
交換時のポイント3つを改めて提示しますと
・裏側からヒートする
・裏側からヒートする部分の光センサを耐熱テープで保護する
・交換時のフレックスは最小量とする
以上、3点を守ればだれでも交換できるようになります!
ぜひチャレンジしてみてください。